売上が上がれば上がるほど、資金繰りが苦しい件

売上が上がった!

とても嬉しいですよね。

お客さまが貴社の商品を評価して、対価を支払ってくれる。
事業をやっていて、これほど嬉しいことはありません。

また、決算書の第一印象も、売上がどれだけあるかに左右されるので、売上が上がって困ることは無いように思えます。

ただ、資金繰りという観点から考えると、注意しなければならないことがあります。

売上が上がれば上がるほど、資金繰りは苦しくなる

一般的な製造業や小売・卸売業の場合、そもそも商品が無ければ売上を上げることができません。

また、受注生産といった業態の場合は、発注を受けて、材料を仕入れて、製造して納品、といったサイクルを考えると、発注から実際にお金を受け取るまでには数か月の期間を要する場合もあります。

実際に例を使って考えてみましょう。

上記の前提ですと、4月単月の損益計算書は以下になります。

売上が100円上がって、最終的に20円の利益が出た計算になります。

ただ、お金の動きを考えると、損益計算書とは異なった動きになります。

まず、4月に売上代金は入って来ません。
4月は固定費20円だけが出ていきます。

次に5月ですが、5月は仕入代金40円の支払いがあるため、固定費20円と合わせて60円の資金が出ていくことになります。

6月になって、ようやくここで売上の代金が入金されます。
売上の代金100円の入金に対して、固定費20円の支払い、結果として単月では80円のプラスとなります。

ここから分かることは、売上が入金されるまでの4,5月は資金繰りがマイナスになるということです。

このマイナスになる資金のことを運転資金と呼びます。
ベンチャー企業などで急速に売上が伸びている会社などは、この運転資金が足りなくなって支払が滞ることがありますので、要注意です。

運転資金のショートを防ぐには

運転資金のショートを防ぐためには、普段から資金繰り表を作成して、資金の動きを予測しておくことが重要です。

また、事業は往々にして予測通りには行かないことが多いものなので、運転資金が足りないといった急場に備えて、普段から余剰資金を確保しておくことも大切です。

余剰資金はどの程度あれば良いのか、という目安ですが、一般的には月商の2か月分や、固定費3か月分といったことが言われます。

業種や会社様、社長のお考えによっても異なってきますので、一度、顧問税理士にご相談してみるのも良いかもしれません。