税務調査、重加算税に関する研修を受けてきました

税理士会の研修で、税務調査、重加算税に関する研修を受けてきました。
重加算税は、できれば一生関わりたくない税目ですが、いざ関わると、相当影響が大きい税金であることを実感しました。

講師の先生

 今回の講師の先生は、沖縄税務署長、新宿税務署長を歴任された国税OBの武田恒男先生でした。
国税OBの税理士の先生のイメージは「とりあえず怖そう」というものが私の中でありましたが、武田先生は山梨弁でざっくばらんにお話をされる先生で、とても気さくな方という印象でした。

重加算税が課された場合のペナルティ

 税務調査の結果、悪質な売上除外や架空経費と認定されて重加算税が課されると、単純にたくさんお金を払うだけでは済まないことを、今回の研修で学びました。

 重加算税が課されることによって、税金の他に、以下のペナルティがあります。

  • 青色申告の承認取り消し
  • 税務調査に入られやすくなる
  • 内容があまりに悪質だと、マルサ案件になる
  • マスコミで報道されて、会社の信用が失墜する可能性がある
  • 金融機関から、融資の返済を迫られる場合がある
  • 相続税で重加算税が課された場合、配偶者控除が適用できなくなる
  • 外国人経営者の場合、在留資格や帰化の基準でマイナス評価となる

いずれも経済状況に大きな支障をきたすものばかりですが、上記の中で個人的に影響が大きいな、と思ったのは、金融機関からの貸しはがしと、相続税の配偶者控除の不適用です。

重加算税が課されたことで金融機関から融資を止められた場合、おそらくほとんどの法人は倒産してしまうのではないでしょうか。

また、相続税申告における配偶者控除が適用できないとなると、適用していた場合に比べて税額は相当大きくなると思われます。

武田先生も、重加算税の賦課決定は簡単に飲んではいけない、とおっしゃっていました。 
ペナルティの大きさをよく考えて、税務当局と交渉することが大切ですね。

質問応答記録書

税務調査の際、税務署側が質問応答記録書を作成する場合があります。

重加算税が課されるような案件であれば、ほぼ間違いなく作成されるものと思われます。

質問応答記録書は何かと言いますと、端的に言えば調査官と納税者のやり取りを税務署側で記録したものです。 

重加算税が課されるような案件であれば、国税不服審判所に申し立てを行うことも視野に入ってきます。
その際に、国税当局側が持っている質問応答記録書の内容を把握しておくことは非常に重要です。

税務調査の最後の段階で、調査官から質問応答記録書の内容について説明があります。ただ、ほとんどの納税者は、国税不服審判所に申し立てを行っている時点で、税務調査の際にどのようなやり取りをしたのか、詳細には覚えていないのではないでしょうか。

そのような場合に役に立つのが、個人情報保護法に基づく開示請求です。

税務署も国家権力とはいえ、役所のひとつに過ぎないので、法律に則って動いています。そこで、個人情報保護法に基づく開示請求を行うことで、国税側が作成している質問応答記録書の内容を知ることができます。

質問応答記録書の内容をしっかりと把握した上で反論していくのと、そうでないとでは大きな違いが出ます。

できればそのような請求をせずに済むのが一番ですが、実施にそのような状況になったときには、ひとつの手段として覚えておこうと思いました。

余談

 武田先生の講義は、テキストは準備されていたものの、脱線が多かったです。。

 ただ、脱線するお話の内容が面白くて、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
 長年、税務当局にお勤めされたご経験に基づくお話は、今後、私が税務調査に立ち会った際に色々と活用できる濃い内容でした。

 できれば重加算税のような案件には関わりたくないですが、税務調査で行き詰ったときには、武田先生にご相談させて頂こうと思いました。